ご存知フリッツ・ハンセンのセブンチェア。
3脚まとめて修理でお預かり中です。
前にも直した事あるんだけど今日はこれについてちゃんと書きます。真面目に。
修理箇所はプライウッドと脚の接合部。
ここがよく外れます。
脚とシェルはこの丸いABS樹脂の座金で固定されています。
固定した座金に4本の脚が付いた鉄部をボルトで留める。
ちなみにここが外れた場合、
オフィシャルのフリッツ・ハンセン並びに代理店で修理は受け付けていません。
もっかい言いますよ、
修理はできません。とメーカーが言うてます。
固定方法は見ての通り、接着材です。
一応ビス1本打ってあるけどこれに耐力はないので接着剤のみです。
特殊な接着剤を使っているので強いらしい。確かに普通のボンドだとすぐ外れます。
めっちゃ不可がかかる部分なので強力にくっつけないといけません。
そして特殊な接着剤であっても普通のボンドでも、一度付けたとこにもう1度接着すると
同じ強度にはならない(なってるか分からない)ので修理不可なのもうなずける。
修理費用は安いです。数千円です。
なんで安いのかと言うと完璧には直せないからです。
付けれるけどどれだけ強く付いてるのか確認の仕様がない。これはメーカーと同じ。
余談ですが接着剤って正しく使うとめっちゃ強いんです。
木工用ボンドでお馴染み「酢ビ」こと「酢酸ビニール樹脂」
板と板を本当にきっちりくっつけた場合、割ろうとするとくっつけたとこと違うとこで割 れます。
大事なのはくっつける面が真っ平であること。完璧な90度と平面。
例えばホームセンターで売ってる木材、カットして貰っても完璧に平面ではない。
それをどうくっつけても強度は出ません。
機械使って完璧な90度と平面に加工する(これを昔の人は鉋でやってたわけで、それが凄いのです!)
ホゾ穴とホゾとか丸棒とかでも同じで、いかに密着できるかで強度が変わります。
なので修理の時によくあるんだけど、
「一回自分で直してみました」の場合、仕上がりが 大抵は悪くなります。
木工用ボンドならまだいいけど瞬間接着剤とかの場合はなかなか厳しい。
どこか少しでも出っ張っていたり(前のボンドが残っていたり)すると
それだけでちゃん と接着できません。
そんなこんなで、メーカーが「修理できないよ」と言う理由
僕が直した時に「どこまでちゃんと直せてるか分からないよ、でも安くするよ」と言う理由
分かってもらえると思います。
前のボンド後を綺麗に掃除して、もっかい接着して直します。
この修理については「セブンチェア・修理」とかで検索するとたくさん出てきます。
そんだけよく壊れるんです、この部分。
早ければ10年たたずに外れる事もあるようです。
リプロダクト云々の話も関わってくるけど、
正直セブンチェアは正規もリプロも変わらんと思いますよ。
正規で7万くらい、リプロなら1万くらい。
よくリプロは質が悪い、と言うけどすぐ壊れて直せないなら正規でも同じようなもの。
直せないような仕様の椅子、壊れるけど修理もできません。
もともと問題があるのは50年以上前の椅子だから仕方ないのです。
同じ値段なら名作椅子じゃないけどもっと良い椅子がたくさんあります。
50年も経ってますから。
質云々とは別にして、椅子の歴史とかそういう側面からは今でも名作椅子です。
10年ちょい前くらいに少しだけ売れたUKの The Bees。
Chiken payback が有名なあのBeesのメンバーが新しいバンドで新曲出した。
相変わらずです。最高。
Chiken paybackだけが異質な曲で他のアルバムも曲も基本地味で渋くて最高です。
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