2016/10/27

オーダーベンチソファと小説「雨蛙」

修理が少し落ち着いてきました。
今週来週は仕上がった家具の納品ラッシュ。

オーダーメイドのベンチソファも完成。
今は塗装中。来週くらいには納品できそう。

笠木(背中の上のとこ)は全部スピンドル(丸棒)で支えます。
スピンドルは掘り込む穴と棒を、「叩けば入る、引っ張っても抜けない」の具合で
造らないと強度が出ない。
丸棒も四角から削っていくので微妙に、0.数mmで誤差がでる。
調整しながら上手い具合に組んでいきます。
楽しい。
















































 張り替え修理でお預かりしていたあおりのソファも仕上がって納品させて貰いました。
お届けの時にご主人様が不在だったのが残念やってけど、喜んで貰えていると思います。
生地に合わせて広縁に敷く絨毯も新調されるみたいです。
そういうインテリアの楽しみ方、素敵やな、と感心してしまう。







一昨日、思い立って志賀直哉の「雨蛙」を読み直した。
15ページくらいの短編。 志賀直哉で一番好きな作品。

感じ方は昔と少しだけ変わっていた、
特に最後の本を燃やすとこ。

15ページだからネタバレも何もないんだけどざっくり言うと

田舎生まれで一度東京出たけど故郷に帰ってきて地元で学は無いけど可愛い奥さん貰って、
暇だから文学とか芸術とかちょっとかじり出して、
そのへんの知り合いの知り合い(劇作家と小説家)が近くで講談やるから
奥さんと2人で行こうとしたらお母さんが具合悪くなったから奥さんだけ行かせる。
翌日迎えに行ったら夜にどうもそいつらと何かあったみたいだぞ、
探ってみるけどはっきりしない、そんな奥さんみて「超可愛いやん!」って思う。
んで思った自分に驚く。奥さん可愛い。そうだ本を燃やそう。
 
という話です。
 


 
志賀直哉と福永武彦を読んで「なるほど文学ってめっちゃ面白い」と思った。

昔は本でも映画でも、「この台詞はこういう意味があって、そもそもそれは~を暗示していて」
みたいな講釈というか解釈、分析して分かったような気になってた。
そういう楽しみ方もあるし突き詰めればそれだって学門、研究になるし、正解もあるんかもしれんけど。

瀬尾まいこ 「図書館の神様」 のラスト前のとこ。 こういう事なんですねん。






































勝手に解釈したら良いし、偉そうに分かったように深読みして気持ちよくなってたらいいんやけど、

「好みや捉え方、感じ方は人それぞれやから」 で終わらす奴は滅びれば良い。

当たり前やろがそんなもん。 と思うのです。


今よりもずっと貞操観念とかに厳しい時代。
奥さんが何か悪い事して、してしもた自分に困ってる。
それ見て「ふむふむ、そんな事もあるわな」 「むしろ可愛いやないか!」
妻の不貞は許さない!とか古典過ぎて無理やろ、むしろありやろ。

とか言ってる自分終わってるわー。
はみ出していこう的な、アーティスト思想に惑わされて酔ってる俺めっちゃキモくね?
何気取りやねん。これはヤバいな。
そうや! 本とかもう燃やしてしまお。

そういう話やと思ってる。 そういう話やと思ってるから「雨蛙」がめっちゃ好きです。

自意識って大事だし突き抜ける為には必要なんかもしれんけど、
そこに疑問すら抱かないような人ってめちゃくちゃダサい。
むしろそれなら「普通」であることのほうがカッコイイ。



さてさて、今年のローマも面白い。怪我人だらけだけど何とかなってる感。
フロレンツィ大丈夫なんでしょか… 
あと今年もコルツが弱くてアメフトはなんだかイマイチ盛り上がれず。





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2016/10/16

テーブルの選び方。

秋です。 寝不足ではないのに毎日めちゃめちゃ眠たいのも秋のせいだ。


ハウスメーカーさんの展示場用にテーブルを造らせて貰いました。
椅子に合わせて天板はウォールナット。 脚はオークです。
W1800のD850くらい。 耳付きの3枚剥ぎ。







































テーブルオーダーメイドの際にはデザインや材種などもそうだけど
サイズのついてじっくり相談、ご説明させて貰う事が多い。

一般的な4人掛けのテーブルはだいたい長さ1500~1600、幅が800~900くらい。
幅に関してはどうやっても800以上は必要です。

問題は長さ。 
4本足のテーブルで長さ1800の場合、椅子が横に3つは並べられない。
そんな時は脚の形を変える。↑のやつは帆立脚。
四隅に脚が来ないから横に並べても余裕がある。

アームがある椅子で横に3つ並べて6人掛け、とかになると2200くらい必要です。
どんな椅子を使うのか、それによってもサイズは変わります。

他にも色々あります。 

4本脚でも四隅に脚がくるより少し中に入れたほうが見た目は良い。
けどそうすると椅子が入る部分が狭くなります。

幕板(脚と脚の間を繋いでる板)も本当はあるほうが僕は綺麗やと思う。
けど無いほうが使い易い。 けど無くすと脚が太くなる。
 





































使い勝手とデザイン、どちらを取るのか。
そもそもお部屋の間取りで快適に使えるサイズはどれくらいなのか。
なかなか難しいんです。

丸テーブルや正方形のテーブルは長方形に比べてより場所を取ります。
テーブルは置く時に、長さからまず見てしまうけど椅子を置くと幅方向のほうが場所を取ります。

長さ160cmの幅80cmのテーブルの場合、
長さは160cmのまま。
幅は80cm+(椅子の幅と椅子を引く余裕×2 +後ろが動線ならその分も) なので
240cmくらいは必要。

直径120cmの丸テーブルの場合は縦横両方向に座るから
250cm×250cm以上の面積が必要。

図面見ながら相談させて貰う時に
 テーブル90度回したらもっと余裕ありますよ、とか
 片側を壁付けにしたら1800でも置けますよ、とか
 鉄脚にしたら脚は細くできるから1500でも余裕でますよ、とか

そういうご提案ができるのもオーダーの良い所やと思います。

一番単純そうなダイニングテーブルやけど、結構奥が深いです。



先月今月と修理が多いんだけど合間でオーダー家具も造ってます。
長さ2m、奥行き70cmの大きなベンチ。 久しぶりのスピンドル。楽しい。






































修理は何か色々。 昔のソファは面白い。
3人掛けでセパレートのソファ、リメイク用で入ってます。



ノーベル文学賞をボブ・ディランが受賞しました。
家帰ったらニュースでやってて「うそやろ!」ってめっちゃ笑ってしまった。

twitterを見てて、僕がフォーローしている人ってほぼ音楽絡みの人だから
すげー!とかそんな感じ。そうか、自分の好きな事、好きな世界の人に囲まれてると分からん事もあるな、と思った。
僕も文学好きじゃなかったら同じように騒いでたかもしれん。

音楽好きな人からしたら面白いし凄いんやろけど、
音楽興味ない文学好きからしたらほんまに意味分からんと思う。

ディランが受賞後にコメントも出さず、雲隠れしてるのもそういう事やと思う。
ボブ・ディランも文学好きやから。

「これは、ボケて支離滅裂の年寄りヒッピーたちの臭い前立腺からもぎ取られた、
ノスタルジー優先の良くない受賞だ」

と、アーヴィン・ウェルシュが言うてたらしいけど、その通りやと思う。

ますます文学が離れていく。 
ノーベル文学賞を受賞した日本人は2人。
川端康成と大江健三郎。

エンタメ目線でおもしろいんかな?って読むと全然面白くない。大江さんなんか特に。
本当は面白いのにエンタメとごっちゃにするからおもんないんやで。


僕は音楽だから、ボブ・ディランが好きです。




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