2013/09/27

塗装も色々。

9月に入ってから急に忙しくなりました。
嬉しい悲鳴。
修理もオーダーも色々頂いてバタバタしています。

平日は不在の事が多くてスイマセン。
明日、明後日も含め、土日は店にずっと居てます。

色んな家具を直したり、作ったり。
修理待ちでお預かり中のもたくさん。










自然塗料、オイルも店頭用が無くなったので頼みました。


自然系塗料(オイル)もメーカーによって色々種類があります。

オスモやリボス、アウロなどが有名。
ホームセンターだとワトコならよく置いてあります。


成分や汚れへの耐性など、ちょっとづつ違うんだけど大枠では同じ植物性のオイル。

どれを使おうか、決めるにあたって考えた事。

まず、仕上がりの具合が最優先。

次に手入れのし易さ、汚れへの耐性がクリアできるのが最低条件。


もう1つ、大事なのは値段。

オイル塗装は定期的にお手入れが必要なので
オイル仕上げのテーブルをご購入頂いた場合、
オイルも一緒にお買い上げ頂く事がほとんど。
そのオイルもいつかは使い切っちゃう。 手入れは勿論ずっと必要。
お引越しされたり、お店に来れない事もあるだろうから買いやすいのも条件。 
けどホームセンターに置いてるワトコは仕上がりと匂い、手入れのし易さにも問題あり。

買い易さも考えて、結局オイルではシェアNo,1のオスモにしようかと思ったんだけど、
高い。 ユーロオイルの2倍くらいします。
0.75ℓの一缶、オスモだと¥5,000くらい、ユーロオイルは¥3,000くらい。

オイルの手入れを半年に一回するとして、
0.75ℓの一缶を適正量で使い切るとでっかいテーブルでも5年くらいかかります。

そこでまた問題。オスモは固まりやすい。

オイルは空気に触れていると膜を張ったり、ドロドロになったりします。
油断してるとカチカチになります。
きっちり密閉したつもりでもわりとすぐに固まる。
5年間使い続けるとなると
もともと粘度が高くて固まり易いオスモは無理かな。。


ちなみにユーロオイルには1回使い切りサイズ(100mℓ)もあります。
¥800くらい。 0.7ℓが¥3,000なのでかなり割高だけど
これなら途中で固まっちゃって使えなくなる心配もありません。

というわけで、
あんまり見慣れないし使っている人も少ないけど、これを使ってます。

店頭には0.7ℓのクリアオイルを置いていますが、100mlも含め他の種類もご注文頂けます。


あとね、ユーロオイルは匂いが良い。
 
 
最終候補の中からこれに決めた理由の1つ。 匂いは断トツでトップやと思う。


ついでにもうちょっと塗装のこと。

無垢だからオイルが絶対良いとは限りません。


家具の塗装、大きく分けると、ウレタンorオイル のどちらか。
(細かくは色々あります。漆なんかもそう。ポリウレタンとかラッカーとか。
 オイル+蜜蝋とか、ワックスとか。色々あります)

ウレタンは汚れに強くてお手入れも必要ない(メーカー家具の多くはこちら)
オイルは木材を楽しむような感じ。ウレタンに比べると汚れに弱いし、手入れが必要です。

超ざっくり説明するとこんな感じ。

無垢の天板を使うならオイルを! と言いたい所ですが、
一概にそうも言えません。

塗膜でコーティングするわけじゃないので、
例えば醤油をこぼしてそのまましばらく放置すると手入れしていても多少シミになります。

無着色のキレイに削ったテーブル(左) 
これにオイル塗装はリスクが高い気がします。汚れも染みがすごく目立つ。

ざっくり削って少し色も入れた天板(右)
こちらはキズや染みが入っても風合いになってくれるのでむしろオイルのほうが良いかも。



木の種類や色合い、削り具合、風合いで合う合わないがあります。

実のところ、塗装の種類で触り心地や見た目(ツヤ感)にはあまり差がないです。

ウレタンでも艶なしで塗ればオイルと同じような仕上げにできます。
オイル塗装で艶有りや着色も可能です。
やり方次第でどうにでもできます。

天然目のテーブルは何十年も使える。
どちらの塗装にしても削ってまた塗装したら新品同様に戻ります。

が!


テーブル天板の再塗装修理でたまにあるご依頼、
天然木のテーブルが染みだらけ。 見てみるとオイル塗装。

ご購入された時に塗装について特に説明はなかったのでお手入れはしていないとの事。

オイル塗装は油をしみこませているだけなので徐々にオイルが抜けていきます。
すっかり抜けると表面についた水分は木材が吸い込み、木目の奥へ奥へ染みこんでいきます。
表面だけなら削ればとれるけど、染みこむと取れません。



修理やっているから分かる事もたくさんあります。
それは新しいモノを作る時に活きてくるはず。

せっかくオーダーで作るなら、塗装の種類も自由に選べるように、
色々考えているのでお気軽にご相談下さい。



またまた、滝畑でBBQしてきました。

焚火が好きな大人と少年。



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2013/09/20

椅子は中身。

※9/23(月) 店舗は開いておりますが(AM10:00~PM16:00)
  柳原不在の為、商品のご説明、オーダー・修理のご相談ができません。
  ご迷惑お掛け致しますが宜しくお願い申し上げます。


ダイニングチェア、張り替えを終えて、昨日納品してきました。

張り替えは外側(布地やビニール、革)に目が行きがちだけど、
外から見えない中身も大事。
傷むのは外側だけじゃなく、内側もボロボロになってる事が多いです。

ウレタン交換したり、テープを絞り直したり、バネをいじったり。

キッチリ直します。

内側は見えないから誤魔化す事もできる? 
実際、2回目、3回目の張り替えの場合に、前の仕事がひどい、、って事も。

でもそんな仕事はすぐバレる。 使ってたらすぐ分かる。
外だけキレイにしても内側がボロボロだとまたすぐダメになる。

いつもお届けする際には、見た目がキレイになるのは勿論、
「座ってみて下さい」 ってお伝えします。

昨日も座って頂いて、
「これでまた長く使えるね」
と、喜んで頂けて、嬉しかった。 キレイなご自宅です。


左が修理前、 右のチェアもそろそろご配達。 
生地に合わせて鋲の色も変えてみました。
生地を変えるとガラッと雰囲気変わります。


USED家具も増えました。 ベンチチェアが2つ。










長い方が 幅1550 奥行550  ¥16,800
短い方が 幅1100 奥行550  ¥14,700

どちらも座面高さは420なのでダイニングテーブルにも合わせられます。
国産家具です。 張り替え、ウレタン交換、木部のキズ補修 済。

来月もUSEDの1人掛けリビングチェア、面白いの出せると思います。

今日から剥がし中。


オーダー家具も色々作ってます。

月末~10月頭に続けて納品予定です。





今月の新潮、

西村賢太の長編 「疒(やまいだれ)の歌」 前編が掲載。


映画化もされた芥川賞受賞作
「苦役列車」 の続編。

続編と言っても西村さんの場合は全部が続編。
時系列が苦役列車と続きの久々の長編。


西村賢太という人はこれからますます面白くなる。

西村文学の楽しみ方について、少し詳しく。


何をもって私小説とするかは難しいけれど、
「私小説家」っていう肩書がこれほど上手く作用する作家も珍しい。

実体験を素材としてかかれた作品が私小説と言われるんだけど



作家さんが実体験を文学としてそのまま書いた場合、
まぁだいたいは暗くてみじめでグズグズした感じか、
世離れしたような崇高な精神世界の話、のどっちかになります。
どっちにしても実体験だからエンターテインメントには成り得ない。
脚色したり、色を付けたとしても、「私小説」と銘打って出すなら同じ。

楽しくて面白くて明快な毎日、それをまま書いたらそれはもう文学じゃないし。
そんなもん誰も読みたくないし。

もしも、「苦役列車」をはじめとする一連の作品が
私小説ではなく創作小説で、普通の兄ちゃんが書いていたとしたらどうでしょ?


「私小説です」 言った途端に作者は作品の中心になる。
どんな経歴のどんな人が、っていう部分に注目が集まる。
優れた作品を出せば覆面でもOKなのが文学。でも私小説はそうじゃない。


ナチュラルボーンぐずぐず野郎の西村さんの場合、
私小説である事で作品と自分、相乗効果で面白くなる。

確か短編では芥川賞を受賞した北町の話も出てた気がする。
自分と同じ道を北町貫多が作中で進んでいくわけです。

最近はテレビにもちょこちょこ出て、クズ発言を繰り返しているんだけど、
それも今後、作中で出てくるでしょう。
共演した人の事やマスコミ業界について、また強烈な皮肉を書くんでしょう。
映画の事はもうボロクソ言ってるけど作中でも言うんでしょう。
注目されるのは一時期の事で、また元のグズグズ生活に戻ったとしても、
それを恨み辛みをまぜこぜて、そのまま書いてやればいい。

最強でしょ。 どうやっても面白くなる。

北町が「糞みたいな番組だったが金になるから引き受けた」 って後で書けば万時OK。

何やっても、後で北町貫多が回収してくれる。
本が売れなくなったら藤澤清造よろしく野垂れ死んでもOK。



今作でも、

慶応のどう多めに評価してもせいぜい15点程度の幽霊みたいな彼女の影響で
サブカル系のイベントに足を運び、アングラ子芝居を眺めて、楽しそうに気持ちよく自分に酔ってる
金を借りた男前の専門学生を指して
 
 「さしずめ大手の出版社にでも入って文芸誌にでも配属され
 毎月毎月、一部のバカな読者と乞食根性丸出しの、自称評論家の連中以外は誰も読まない作文を
 せっせと媒介していればお似合いなのだろうが、如何せん、専門学校卒ではそれもまず
 入社の段階でもって到底叶うまい。」

と、色んな人を纏めてボロクソ。

青春を謳歌している同世代に対して、自信の敗北を認めつつも
未来永劫負けたままとは思っていない、人生の完全敗北を認めたわけではない。

こんな事を二十歳の北町が思ってるんだけど、
作中だけなら落伍者の美学。
でもこれって今の西村さんが書いてるわけで、それって壮大な皮肉にも見える。

見てみろ、俺の勝ちだろ? って。

本人と作中の主人公、相互効果で面白くなる。


この一連の流れが、ただのグズグズ野郎のエンタメ自伝ではなく、
私小説、文学として成り立っているのは
西村さんの文章と言葉の巧みさ、絶妙な自虐ユーモアがあればこそ。

今作は、「根が~にできている男」のギャップ自虐連発。笑うわ。

「根がどこまでもスタイリストにできている貫多」
「根が誇り高き貫多にすれば」
「根がなかなかのエチケット尊重主義にできている貫多」
「根がひどくデオドラント志向にできた男」


凄い人なんやで。達者や。 後編が楽しみ。

一部の馬鹿な文芸誌読者の予想ですが、
年末の芥川賞、これから12月までによっぽどの作品が出てこない限りは

小山田浩子 「穴」 で決まりやと思う。


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2013/09/13

USED家具追加。

※明日、9/14(sat)は臨時休業となります。
  ご迷惑お掛け致しますが宜しくお願い致します。


USED家具、少し増えました。
 HPにも載せています。http://yanagiwoodworks.com/



こちらは納品したダイニングセット。
ご夫婦で2人でピッタリサイズ。
ダイニングテーブルはタモ。チェアはオークです。


チェアの張替修理もだいぶ進んできました。
張り布に合わせて鋲も黒から真鍮色に変更。


 ダイニングチェアのガタツキ修理、
 チェアの籐張替、
 テーブル脚の作り変え
 座卓の脚カット
 額のガラス交換

今週は修理のご依頼たくさん頂きました。
しっかり直してしていきます。

今日もまだまだ作業。やりまっせ!


 

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2013/09/06

我思う故に我あり

先日ダイニングテーブルをオーダー頂いたお客様、

ホームページを見て頂いて、大阪市内から電車と徒歩でご来店。
移動だけでも1時間半くらいかかるんじゃないかな。
有難いです。ほんとに。

自分でデザイン考えて、図面引いて、自分で作って、自分で売って、自分で届けて。
全部一人でやるのは大変なんだけど、
それだけ喜びもダイレクトに感じられる。

テーブルなんて家具屋に行けばメーカー品も量産家具もたくさんある。
個人で作っておられる方だって関西だけでも100人か、もっといるかも。
その中から僕が作る家具を選んで頂ける。
それがどれだけ凄い事か。

もっと良いモノを作って、もっと良い店にして、期待に応えたい。

そう思う。

責任を感じると同時に、選んで頂ける事が自信になります。
もうね、めっちゃ調子に乗りそうになるくらい。嬉しい。

毎日の仕事に追われると忘れそうになるけど、

自分が作るモノを、たくさんのお店、たくさんの商品の中から選んでくれる方がいる。
それってすごい事なんだぜ。

まだまだこれから。 気を引き締めて。 今日も作業。








































 
 
 
※ 遠方からご来店頂く機会も少しづつですが増えています。

   平日の場合、納品やお見積りなどで柳原が不在の事が多々あります。
   椅子張り職人は常におりますのでお店は開いていますが
   商品のご説明、オーダーや修理・リペアのご相談ができない場合がございます。

   遠くから脚を運んで頂いたのに大変申し訳ない、、そんな事も少なからずあります。  

   ご迷惑をお掛けして大変申し訳ないのですが
   平日にご来店の際には、一度お電話にてご連絡頂ければ幸いです。

   土曜日、日曜日は10時~19時まで店頭におりますのでお気軽にご来店下さい。


今日も大阪市内へ家具リペアのご相談に伺ってきました。


他にも2mくらいのでっかいミラー、座卓もお修理。

お店に帰ってきたら、お近くのお客様が右の家具を持ってご相談に来て下さいました。
色んな家具を触らせて貰えてうれしい限り。
キレイにしっかり甦らせます。




火曜日に神戸に行ってきました。

昼から家出て、
古本屋、レコード屋、骨董屋を回る、いつもの至福のパターン。

Someone Still Loves You Boris Yeltsin ってUSのバンドを観てきました。
去年は大阪、今年は神戸で。
新譜もすごく良い。↓みたいな曲もいいし、緩いのも良い。
オフィシャルで何曲か聴けます。
http://www.polyvinylrecords.com/store/index.php?id=2440



新譜からの曲がほんと良かった。

The Vaselines/molly's lipsのカバーはオリジナルのこっちよりも


こっち寄りでした。



対バンのnayuta、初めて(たぶん)観たけどカッコイイね!
家帰って奥さんに
「nayutaが恰好良くてさー」 って言ったら 
「せやろ? 何で知らんの?」 って言われた。悔しい。



大阪は明日です。 http://moorworks.com/event/sslyby/
対バンのNOKIES! も良いバンド。

久しぶりにライブハウス行ったけど、やっぱりライブ観ないとダメだ。

音源買って、生で観て。大事。

ネットサーフィンして色々探すより、ライブハウス行けばどこでもカッコイイ奴ら、おるで。

昔々、一緒にイベントやってた友人がライブに行った帰りに
「俺は今日このライブ観てた女の子としか付き合わない」 
って冗談を、冗談じゃない感じで言ってた。冗談やけど。
「分かるわー、めっちゃ分かるわー」とか言うてた。 

めっちゃ良いライブを観た時に
「これを共有してない人とは分かり合えへんわー」って一瞬思ったりする感じ。
そんな気持ちをまた感じたライブでした。

いや、全然意味分からんけどね。 

 

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2013/09/01

ブラックチェリーのサイドテーブル。

ブラックチェリーのチェアに合わせて、
ブラックチェリーのサイドテーブルを作りました。


サクラの木。 木目と斑点模様が特徴的。
加工もしやすくて、好きな木材ベスト5には入ります。
ランキング付けた事ないけど。
切ったり削った時のニオイが弱いのが残念。

長く使っていると赤みが強くなって良い感じになります。

自分専用の椅子&お茶する時の専用サイドテーブル。
ちょっと贅沢で羨ましいご注文。
明日納品です。


     削る前はこんな感じ。                             削ったらこんな感じ。

     研磨前に水で濡らした、濡れ色                          オイル入れて仕上げ
色の変わり具合、面白い。 使っていくうちにまた色も深みが出ます。


修理も少し増えてきました。
テーブルの再塗装が続いたんだけど、写真撮り忘れ。
キレイになったんやけどなー。。

ダイニングチェアはマルニ木工のベルサイユが続いています。
ファブリックでも、合皮でも、勿論革で張ってもキレイ。
鋲も打ち直して仕上げます。
20年経ってもまだまだ現役。キッチリ直します。




ポールの新曲がビートルズテイスト。
11月の来日、大阪公演が火曜。定休日やった。行きますか!

Paul McCartney 'New' 

来週は1年ぶりの来日

Someone Still Loves You Boris Yeltsin  と



元25m Floaterでお馴染み、Huting Pigeons


を観に、超久々に神戸 Helluva Lounge に行ってきますぜ。
モノ作りもインディーズ。  


 

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