でも僕は基本的には造りません。
何度か書いてると思うけど、ダイニングチェアだけは家具の中でも特殊。
修理で色んなメーカーさんの椅子を触る。構造とか造りを見る。
これを同じ値段では絶対無理やな、、って思う。
技術的には不可能ではないと思う。時間をかけて丁寧に造れば同じのは出来る。
でも時間がかかる分だけ値段が高くなる。
纏めて大量に造れたら多少は安くできるけど、それにも限界がある。
定番商品として売る為に時間を掛けて設計して、
大きな工場で、最新の機械を使って大量に造る。
それができるからこそあの品質、複雑なデザインでもある程度の値段で出せる。
国産メーカーさんのちゃんとしたダイニングチェアは凄い。ほんとに。
椅子が難しい理由、デザインと強度、座り心地のバランスです。
綺麗なデザインで強度もあって座り心地も良い。それがベスト。
全部叶えるのはそれだけでも難しいし、手間がかかればそれだけ値段は高くなる。
全部ある程度でええやろ、その分大量に造るから安いよ、それが量産家具。
デザインが最優先、強度と座り心地はある程度でええやろ。輸入家具にはそういうのも多い。
品質と値段で見たら日本製メーカー家具が世界で一番やと思う。
強度気にし過ぎて遊びがない、って言われるけど数年でガタついたらクレームになるやん?
オードリーがIKEAの椅子を生放送でぶっ壊して話題になってたけど、
あんな使い方したら国産家具でも有名ブランド家具でも量産家具でも一発で壊れます。
椅子は壊れやすい。普通に使っててもそうだし無理な使い方したら余計に。
そこにデザイン製と座り易さも入れ込まないといけない。難しい。
ソファとかテーブルとか置き家具は勿論、ダイニングチェア以外の家具は
オリジナルで造ってたとして多少色を入れても強度の面はわりと何とかなる。
椅子だけは難しい。
家具造ってる人はみんな椅子が造りたい。
自分の好きなように、手間をかけて自分だけの椅子を造りたい。
でも好きに造ると国産メーカーの家具よりずっとずっと高くなる。
高くなるのに品質や強度はメーカー品より劣る。
それでも極めようとしたのが家具作家さんが造る椅子。何十万とかしますよね、1脚。
国産メーカーのダイニングチェア、安くても3万円代後半~。
個人で造ってそれより安く、高品質で造る事は不可能です。間違いなく。
少し高くなる程度に抑えて何とか自分らしい椅子を造りたい。
個人でされてる家具屋さんが出しているオリジナルのダイニングチェアを見ていると、
分かります。気持ちが。
値段を抑えて、せめて国産メーカーと同じくらいの価格帯で造らないと売れない。
強度を弱くはできない。
本当はもっといろいろしたいけど、価格を抑えるにはデザインはある程度限られる。
限られた中で何とか自分を色を出そう、ってみんな頑張ってる。
でも結果、どっかで見たことあるなー、っていう椅子になる。
加工が簡単でないと高くなるからデザインが限られるせいです。
値段もめっちゃ頑張ったとしてもだいたいはメーカー家具より高くなる。
だったら国産メーカーの良い椅子をお勧めするほうがいいんちゃうか、と思ってます。今も。
それでも造りたい。椅子の魅力。
ならどんな椅子を作ろうか、ってずっと考えてました。
メーカーと同じような椅子なら意味がないし、
いっそのことめっちゃ高くなってもええから好きなの造ろうか、とも思ったけど
それも違う。
他ではないような、でもそこそこの値段で造れるような、の結果
これになりました。
木部で限界があるなら生地で違いを出したい。
椅子張りもやってるんだしそっちで頑張れるん違いかな、と。
国産メーカーの椅子生地でこの感じの生地はありません。
スイスからの輸入生地。 これに似合うような椅子が造りたかった。
ストライプの色使いと風合い。
チェックも色使い、デザインがそこらの生地とは全然違う。
差別化しないと意味がないのでこの椅子は選べる生地が下記の3種類。固定です。
色のバリエーションはあります。生地見本は店頭でご覧いただけます。
幅、高さなどサイズは全て同じ。
SW Chair オーク材 オイル仕上げ
幅420mm 奥行き450mm 高さ780mm SH430mm
木部の色や座面高さは変更できます。
椅子生地は下記の3種類(色変更可能)です。
SW Chair ファブリック ST (4 colour) ¥61,000(税別)
SW Chair ファブリック CH (10 colour) ¥56,500(税別)
SW Chair 合成皮革 Ba (10 colour) ¥38,000(税別)
価格を見て頂くと分かると思いますが、
布のほうがだいぶ高くなります。 生地代金が高いからです。
国産の椅子生地は平均で¥5,000/m くらいのところ、
この生地は¥20,000~¥25,000/m です。
椅子自体は3万円ちょいくらい。残りは全部生地の代金。
アホみたいやと思われるかもしれんけど、こんな椅子があってもええんちゃうかな、と思う。
少なくとも他にはないから、それだけでも意味はあるんちゃうかな。
合成皮革の方は国産メーカーのチェアと同じくらいです。
ちょっとヴィンテージ風な合成皮革。これも気に入ってます。
オリジナルの家具、オーダーとは違った面白さと難しさがあります。
オーダーよりももっともっと隙間を狙うような造り方にもなります。
響いて下さる方が少しでも居てくれたいいな、と思って造ってます。
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