2015/06/18

家具の引き取りと「火花」について。

また滞ってました。スイマセン。
息子が風邪をこじらせて入院していました。肺炎になりかけ?くらいの感じ。
どうも元々体力がある子なのか、具合の悪さを体力でカバーしていたようで、
「よくこれでご飯食べれてましたね」などと言われてしまう始末。
元気そうだからといって油断はならん。反省。
しかし入院中も超元気。ご飯もバクバク食べる。
やっと先日退院して帰ってきました。保育園行けるまでまだ少しバタバタしそうですが。
一安心。
























そんなこんなで滞っていた家の家具、キッチンカウンターはもうすぐ完成。
自分のモノはやっぱりあんまり気合入らず。手抜き手抜きで何とか完成。
次はなんだっけ、TVボードかチェストか。また暇を見付けて造ります。

























こちらはリペア。かなり年代モノのベンチ椅子。
中の木部もグズグズだったので造り直し。
アンティーク調の合成皮革で張替。
この生地、お勧めです。雰囲気あるし見栄えも良い、そして安い。


























ここ最近家具のお引き取り相談をよく受けます。ありがとうございます。
毎回書いてますがヤナギウッドワークスでは家具の買取、買付けはしていません。
良い家具でもそうでなくても、修理して修理代金のみで販売しています。

無料でいいから引き取って、という相談もよくあります。
大変申し訳ないですがその場合もモノと状態を見て判断する形になります。

リサイクルショップや古道具屋ではないので何でも引き取る事はできません。

そもそも家具のリメイク販売はするつもりはなかったのですが、
オーダーや修理をさせて頂いた際に、「捨てるには勿体ないから誰からに使って欲しい」
そういったお話しを頂く機会が多くあり、ならば修理して欲しい人を見付けよう、そんな感じで始めました。

あくまで本筋はオーダーと修理です。

今も引き取った家具を何も触らずそのまま販売する事はありません。
綺麗で状態が良い家具なら汚れ落としと磨きだけで¥2,000円とかで出す事はありますが。
極端な話ですがすごく高級な家具であっても欲しい方が見付からなさそうなら引取りはお断りさせて頂きます。
モノやデザインはよくても修理であまりに手間がかかりそうな場合も販売代金が高くなって書いてが見付からないので難しいです。
特に箱もの。ワードローブや婚礼家具はなかなか難しいです。
修理に値段もかかるし欲しい方もなかなかいない、結果廃棄するだけになる。

寄り好みするのか?と思われる事もあると思います。
修理なんかするから結果リサイクルショップより高いやん、と思う方もいるかもしれません。

修理せず販売するならUSED家具は扱いません。
それはリサイクルショップやレトロが売りの古道具屋さんのお仕事。

僕は古い家具を「直して」より長く使えるようにしたい。
買い付けをしない分だけ修理する箇所が少なければ安く出せる事もあれば、
いっぱい直して高くなる事もあります。

安いからレトロな家具、古い家具が好きだ、というのは違うと思う。
それって結局使い捨てと同じ。
良い家具を大事に使ってくれる方がいて、良い家具だから状態も良く残る。
最初にモノが良くて、大事に使っていないと残りません。

古い家具が好きだからオーダーで家具を造りたい。その方が筋が通ってる気もする。

古い家具の良さは値段じゃない。質と今の家具にはないデザイン、風合い。
古道具屋で買ってきた数千円のボロボロの椅子、数万円かかっても直したい、そういうご依頼もあります。
家の家具を修理したい、修理の話はいつでも嬉しい。

我儘なようですがこれからもリメイクはそうやって続けていきます。
大事に使ってこられた方の気持ちを大事にしたい。
投げ売りみたいな価格で修理もせずに売られて、買う方にも大事にされないんじゃ可哀想だしつまらない。


来月以降にまた色々リメイク出せると思います。




えー、そろそろ芥川賞候補の発表です。

誰も待ってないけどスイマセン、今期はほとんど読めてないので予想は無しです。

又吉さんの「火花」は候補入りは確実。

これがまた難しい。良い小説です。純文学らしい純文学。
ややこしいんですが僕は珍しくフラットな目でこの作品を見れる気がする。

文学好きで又吉さんに興味がないと、どこか「芸能人が?お笑いなのに?」って見てしまう。
お笑い好きで普段文学読まないと「文学?大衆小説とどこが違うの?」ってなる。

本の好みが近いのもあって僕は又吉さん好きです。
どっちも好きだから余計評価が上がります。

「火花」の書評に面白い箇所があって要約すると
  又吉さんは芸人さんで且つ文学にも通じている。書こうと思えば「笑える」小説も書けたはず。
  面白さ、求められるモノとは切り離して文学として作品の高みを目指しそれを成功させている~
みたいなそんな感じ。

文学、特に純文学というジャンルはエンタメ的な「面白さ」を求めるモノではない。
だから「又吉が書いてるんでしょ、面白そう!」で読むとガッカリするかも。

芥川賞作品なんて全部おもんないし毒にも薬にもならん。もっと面白くて上質な小説くらいでもあるやろ。

って言う人もいる。正解。おもんないんすよ、純文学。

直木賞をエンタメ、大衆向けの新人賞とするなら芥川賞は前衛文学新人賞みたいなもの。
いきなり「おもしろそう!」って読んでもその良さの意味が分からない。
僕も昔そうでした。全然面白くなかった。

古典文学は好きだったけど最近のはよく分からない。
なんでこれが評価されるのかが分からない、
けど専門家に評価されてるんだから文学的には面白いはず。分かるようになりたい。

ならとりあえず今までの受賞作できるだけ読んでみよう、文芸誌で各誌新人賞とかも読んでみよう。
そうしてると面白さが分かってきた。

例えば芸術に疎い僕なんかは前衛芸術を見てもよく分からない。良さが。違いも。
たくさん色々見てきて、何が凄いのか何がしたいのか、それが分かればきっと面白くなる。
一方でデッカイ壁にキレイでインパクトのある絵が描いてあれば直観ですげー!ってなる。これはエンタメ。
何か分からんけどすげー!ってなる事もある。それってすごい事。

文才があって笑いの才能もあるなら分かり易く面白い小説が書ける。受け入れて貰い易いような。
文学が好きでたくさん読んでる人だからこそ、余計に踏み込み難くなるはず。、

文学小説も大衆小説も細かな区切りなんて無いから受け入れられる可能性は低くなる。
「お笑い芸人が書いた文学」を目指すなら簡単なのにもっとややこしい事をしてる。

レビューとかを見ると普段文学を読んない方も面白い!って意見が多い。ファンの贔屓目だとしても。
純文学かは分からないけど面白い、みたいな意見も。
主人公はお笑い芸人だしそれも含めて凄くないすか?

文学に普段触れない人にも分からせて、文学としての面白さや質も高い。
何か分からんけどすげー!ってなるヤツです。天才やと思います。

と同時にどんだけ葛藤して書いたんやろか、と思う。
芥川賞取れば読む人も増えるだろうし、それを機に「文学面白いのでは?」ってなる人が増えるなら大歓迎。
選考委員がこの作品どこを評価するのか、しないのか、にも注目したい。


 

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