2015/10/22

板の造り方

まずはこないだの納品から。

奈良のお客様、ケヤキの1枚板テーブルとチェアの納品。
前から言うてたけど素敵なご自宅です。
家もそうだけどお庭と周りの環境と。


























 天井がグリーンで綺麗。
脚のデザインも相談してこれになりました。
喜んで頂けて何より! ええ感じです。


少しバタバタしてたのもおさまってきました。
相変わらず平日は不在の事も多いですが土日はお店に居てます。

11月に入ったら少し何かやろうと思います。
USEDリメイクの家具が増えてきたのと展示家具を少し変えて行きたいので。
リメイク家具を安く出す予定です。詳細はまた後日。


修理やオーダー、色々とお話を頂く中でどうしても値段が合わない事も多々あります。

ここ最近何度かあった話。

小さな天板とか棚板を無垢で作って欲しい、みたいなご相談。

例えば幅60cm、奥行き40cm、厚み2cm の板。無垢で。

素材にもよるけどこのサイズだとまぁ6000円以上は絶対します。
ウォールナットだと10000円くらいになるかも。

「高いなー! 2000円くらいちゃうの?」

気持ちは分かります。 腹が立つわけじゃないけど、何とももどかしい。


僕も木工やる前は何も知らなかった。 
天板とか無垢板、木をささーっと削ったら出来ると思ってた。
無垢も集成材も突板も違い分からんかったし。
板って綺麗なあの状態で売ってるもんやと思ってたし。


長さ600 幅400 厚み20 の天板を造る。

まず奥行き40cmだと1枚板は難しい。 あるけどね。1枚でも。
ふしや割れの無いちゃんとした使える木材。
荒木で仕入れるんだけど、幅40cm以上が取れる木って結構な大木です。
幅が広い木は大木。値段は高い。
普通に使う場合で仕入れるのは幅30cm以下。
新たに幅広の天板を仕入れてもいいけどその方が高いです。なので作る。

これがウォールナットの原木。仕入状態。
幅300弱くらい。長さは1800くらい。厚み35mm。
60cmを2枚剥ぎ合わせるからまずザックリ切ります。




切りました。 幅も250くらいでざっくりカット。
この時点で上の3枚の板は余り。
置いといてまた何かの機会に使えたら使うけども、余り。







2枚の板、両面を削って平面を出します。
仕入状態の板は反ってるし曲がってるので両面がまっ平らになるまで削る。


今回は厚み20mmなのでここまで削る。
1mmくらいづつしか削れないからひたすら削る。
ここでの15mm分は粉になって消えます。
もし奥行きが25cmの板ならこれでほぼ完成。


2枚を合わせて接着する、その断面部分。
普通にカットして左の状態。微妙に隙間がある。
キッチリバッチリ90度じゃないと継ぎ合せたら真っ平にならない。
削ります。ビッチリと。

断面に加工。

接着して数時間、乾いたので整形。
余分な所をカット。


研磨。磨きます。
角と側面、そのままだと欠け易いし危ないので面取り。

塗装。1回塗って乾かして、2度塗り。
完成。

テーブルでもソファでも、棚板でも同じで、値段=材料費+工賃、です。

最初にカットして余った部分、もしかしたら使えるかもやけど使えないかも。
板だけ大量に造ってる工場とかなら絶対使えるからその分引ける。
もしくは同じ板を10枚、とかならそれ用に仕入れ出来るから引ける。

1枚だけなら材料は1枚まるまる必要。
この時点で2000円なんて当然超えてます。

あとは工賃。早く正確にできればそれだけ安くできる。
職人はスピードや。ってのはこの事。
これに1日かかるならそれだけ値段を貰わないといけない。

ネットで探してみたら無塗装、研磨せず、で最安値が8000円くらいです。
板だけ作ってる工場でもその値段。
塗装までしたらどうしたって1万円は超える。

これって実は無垢だから高いわけでもなく、
集成材とか突板でも1枚だけ造るのはやっぱり高いです。


普段の家具造りはこうやって板やらか角材を作って、そこから加工していく。
そう思うとテーブルとかも案外高くないかも、と思いません?
思って貰えると嬉しいですが。。


こうやって削って削って、色々作っております。




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